書籍目録

「津軽海峡:1855年のジョン・リチャード航海長が率いたイギリス軍艦サラセン号、ならびにアメリカ北太平洋測量艦隊の調査に基づく」(イギリス海軍水路部海図 2441号)

イギリス海軍水路部 / ジョン・リチャーズ / アメリカ北太平洋測量艦隊(ロジャース)

「津軽海峡:1855年のジョン・リチャード航海長が率いたイギリス軍艦サラセン号、ならびにアメリカ北太平洋測量艦隊の調査に基づく」(イギリス海軍水路部海図 2441号)

1861年改訂版(初版は1856年4月25日版) 1861年 ロンドン刊

British Admiralty (Hydrographic Office) / [John Rodgers]

STRAIT OF TSUGAR Surveyed by MR. JOHN RICHARDS, MASTER COMMANDING AND THE OFFICERS OF H.M.S. SARACEN AND THE U.S. NORTH PACIFIC SURVEYING EXPEDITION. 1855...(PACIFIC OCEAN JAPAN)

London, (Published at the Admiralty...Sold by) J. D. Potter (Agent for the Admiralty), 1861. <AB202580>

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Second issue?

1 sheet map (49.7 cm c 67.0 cm), Linen-backed

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 イギリス海軍サラセン号のリチャードによる1854年の測量調査と、「忘れられた黒船」で知られるロジャース率いるアメリカの北太平洋測量艦隊による1855年の調査を反映させて刊行された津軽海峡の海図。同海図は「太平洋・日本海図」の一つとして刊行されていることからも分かるように、日本近海であり、かつ北太平洋を通じてアメリカとを結ぶ太平洋航路(大圏航路)においても要となる海峡となる重要な海図であった。「津軽海峡図」の初版は1856年であることが本図に記されており、本図は1861年の改訂版である。ペリーとハリスの来日の「あいだ」に日本へ来航し、測量調査を行ったロジャースによる北太平洋測量艦隊の重要性は近年になって改めて注目されている(後藤2017)が、帰還後に勃発した南北戦争をはじめとした歴史上の不運により、その画期的な測量調査が全く刊行されることがなかったため「忘れられた黒船」となったことでも知られる。その中でも本図は同艦隊の調査情報が刊行海図に反映された貴重な海図である(それがアメリカ海軍によるものではなくイギリス海軍によるものであったとことは皮肉ではあるが)。東京大学赤門文庫に1870年の改訂版は所蔵が確認できるが、初期の50年代から60年代にかけての販は国内未所蔵で、これまで研究されたこともないと思われる。なお、赤門文庫所蔵の1870年版は内務省地誌課によって作成された小縮尺地図の編集に用いられたことが指摘されている(今井2014)