書籍目録

「長崎港:1861年のイギリス軍艦アクテオン号とドーブ号のウォード中佐らによる調査に基づく」(イギリス海軍水路部海図 2415号)

イギリス海軍水路部 / ウォードほか

「長崎港:1861年のイギリス軍艦アクテオン号とドーブ号のウォード中佐らによる調査に基づく」(イギリス海軍水路部海図 2415号)

1863年10月改訂版(初版は1863年5月1日刊) 1863年(10月) ロンドン刊

British Admiralty (Hydrographic Office)

NAGASAKI HARBOUR Surveyed by Com.r J. Ward, Lieut, C. Bullock...H.M.S. Actæon & Dove 1861...(JAPAN KIUSIU ISLAND: WEST COAST).

London, (Published at the Admiralty...Sold by) J. D. Potter (Agent for the Admiralty), 1863 (October). <AB202579>

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Second issue?

1 sheet map (65.0 cm c 83.5 cm), Linen-backed

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 長崎港に関する西洋製の海図としては、オランダ東インド会社による17世紀に作成された海図しか長らく一般には入手し得なかったが、シーボルトによる長崎港海図(1835年)、または「日本図」(1840年?)において分図として刊行された長崎港図(1827年)が刊行されたことにを嚆矢として、近代的な実測に基づく海図の刊行が西洋で開始されることになった。イギリス海軍水路部による独自測量調査に基づく長崎港の海図としては、サラセン号のリチャードによる測量情報を反映させた1855年版があるともされるが店主は未確認(本図にはそのような範の存在については記載されておらず、あるいは本図が初版の可能性もある)。 本図は1863年に刊行されたもので、1859年から1861年にかけて日本近海や中国沿岸海域の測量調査を行ったアクテオン号のワードによる最新情報を反映させた当時最新版の海図である。東京大学赤門文庫に1868年版の所蔵が確認できるが、1863年版は国内未所蔵。なお、アクテオン号は同情した幕府役人が持参していた伊能図を特筆すべき測量図として高く評価し、後にオルコックによる交渉を経て同図を持ち帰ったことでも有名。この伊能図がイギリス海軍水路部発行の海図の海底に多大な影響を与え、さらにその一部が日本に逆輸入されることになったこともよく知られている。