書籍目録

『タイポグラフィアあるいは印刷職人の手引き』

ジョン・ジョンソン

『タイポグラフィアあるいは印刷職人の手引き』

小型版 全2巻(揃い) 1824年 ロンドン刊

Johnson, John.

Typographia, OR THE Printers' Instructor: INCLUDING AN ACCOUNT of the ORIGIN OF PRINTING, with...A Series of Ancient and Modern Alphabets and DOMESDAY CHARACTERS: Together with An Elucidataion of every Subject connected with the Art.

London, Messers, Longman, Hurst, Rees, Orme, Brown & Green, 1824. <AB202558>

Reserved

Small edition. 2 vols.(complete)

7.3 cm x 12.0 cm, Vol.1: Front., Illustrated Title., Title., 4 leaves, pp.[i], ii-xii, [1], 2-610, 5 leaves(Index) / Vol.2: Front., Illustrated Title., Title., 1 leaf, pp.[1], ii-iv, [1, 2], 3-663, 8 leaves(index), Contemporary full leather, skillfully restored.
旧蔵者の蔵書票の貼付あり。刊行当時のものと思われる装丁を丁寧に補修したもので状態は良好。小口は三報ともマーブル染。

Information

イギリスにおける活版印刷と活字鋳造に関する歴史とあらゆる実践事項を網羅

 本書はロンドンで印刷業を営んでいたジョン・ジョンソン(John Johnson, 1748 - 1848)が手がけた作品で、イギリスにおける活版印刷の始祖である客ストン(William Caxton, ? - c1492)以来17世紀に至るまでの活版印刷の歴史をまとめた第1巻と、活字鋳造をはじめ活版印刷に関するあらゆる実践的な手引きをまとめ、世界各国の言葉を含むさまざまな活字デザインを網羅的に紹介した第2巻からなる大部の著作です。2冊で1000ページを超える大部の著作ですが、書物自体は手のひらに収まるほどの極めてコンパクトな作りとなっており、したがって誌面で展開されている活字も極小と言える小型で繊細な活字で、その製造、印刷技術の高さが伝わる書物となっています。「印刷大事典」とも言えるような内容になっている本書にはさまざまな活字見本も収録されていて、イギリスにおける活字製作の歴史とともにその豊かなヴァリエーションを見ることができるようになっています。またこの第2巻にはフランスをはじめとしてすでに実用化が進みつつあった漢字活字についてもその見本とともに紹介がなされていることに驚かされます。この作品はジョンソンによって同じ内容で異なる3種類の大きさで刊行されたと言われており、本書はその中でもっとも小さいもので、活字鋳造と印刷の限界に挑むかのように限られた誌面に小さな活字でテキストが整然と配列されており、その精度の高さには驚くべきものがあります。