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1952年 東京(世界政府協会)刊
<AB2024153>
Sold
12.6 cm x 18.0 cm, pp.[1], 2-102 / pp.1-58, Original pictorial paper wrappers. [NCID: BA90983236]
Information
「(前略)ぼくが本書の第3巻において、ついに子供時代に夢中になった絵本の一冊に再会したことをちょっと付け加えておきたい。失ってしまった片っぽの手袋にやっと出会えたようだったのだ。 それはウェズレー・デニスによる『フリップ物語』という絵本だった。子馬のフリップが夢の中で翼をはやし、ついに自由に空を飛んで冒険するというお話で、夢中に読んだ。ところが題名も作者名も思い出せなかったのだ。本書によると、GHQ占領下でどっと入ってきた欧米絵本の翻訳もののひとつだったらしく、当時としてはきわめて珍しいことに横組で、しかも英文併記になっている。もっと驚いたのは翻訳者が桜沢如一だったことである。マクロバイオテックを提唱し、世界中に玄米レストランを波及させた、あの桜沢如一なのだ。 詳しいことはまだ見えないのだが、どうやら桜沢は、この『フリップ物語』にこれからの日本の社会が進むべき進路を感じて訳したらしい。そういうことを縷々語りあげた100ページ以上の解説書もあるらしい。どこかで入手したいものである。その名もかわいいコンパ出版が発行元になっている。」 (『松岡正剛の千夜千冊』、第1054夜:鳥越信編『はじめて学ぶ日本の絵本史』より。https://1000ya.isis.ne.jp/1054.html)