書籍目録

「中華帝国ならびに日本帝国地図」

ブリュイ / ルバスール

「中華帝国ならびに日本帝国地図」

(『普遍地図帳』最終版からの抜粋) [1875年] パリ刊

Brué, Adrien-Hubert / Levasseur, Pierre Émile.

CARTE GÉNÉRALE DE L'EMPIRE CHINOIS et ou Japon.

Paris, (Institut Géographique de Paris) Ch. Delagrave (Editeur de la Société de Géographie), [1875]. <AB2024150>

Reserved

(Extracted from Atlas Universel de Géographie Physique, Politique et Historique, Ancienne et Moderne)

47.5 cm x 62.0 cm, 1 colored map,

Information

19世紀のフランスを代表する権威ある地図帳に収録された東アジア地図

 本図は1875年にパリで刊行された地図帳に収録されていたと推定される日本と中国を中心とした東アジア地図です。この地図帳は、18世紀後半から19世紀前半にかけて活躍した著名な地理学者、地図制作者であるブリュイ(Adrien-Hubert Brué, 1786 - 1832)が手がけた地図帳『普遍地図帳』(Atlas Universel de Géographie Physique, Politique et Historique, Ancienne et Moderne…Paris, 1822)の後継版としてその名を冠した、当時フランスで最も権威ある地図帳として高く評価されていた地図帳で、従って本図はフランスにおける標準的な東アジア図であったと言えるものです。

 ブリュイが手がけた地図帳の初版は1822年に刊行されて以降、ブリュイ没後もその名を冠して改訂が重ねられており、19世紀後半には当時のフランスを代表する地理学者、歴史家、経済学者として多彩な活躍を見せたルバスール(Pierre Émile Levasseur, 1828 - 1911)が監修しており、本図にもブリュイとルバスール両名の名が明記されています。出版を手がけたCharles Delagrave(1842 - 1934)はルバスールの手がけた地図出版をはじめとして学術的、教育的著作を多数出版しており、フランスのアカデミーとの関係も深く「地理学協会」(Société de Géogràphie)の出版社でもありました。本図には刊行年に関する情報は記載されていませんが、地図上部左右に記された記載の特徴から見て、1875年に刊行された最終改訂版に収録されていた地図ではないかと思われます。