書籍目録

「中国と日本地図」

ジョンストン

「中国と日本地図」

(『現代地理の王室アトラス』からの抜粋) 1893年 エディンバラ / ロンドン刊

(Alexander) Keith Johnston (F.R.S.E.)

CHINA AND JAPAN.

Edinburgh / London, William Blackwood and Sons, 1893. <AB2024137>

Reserved

(Extracted from The Royal Atlas of Modern Geography)

49.0 cm x 62.0cm, 1 colored map,
地図下部余白の一部に破れあり。

Information

19世紀後半にイギリスで刊行された最も権威ある地図帳に収録された東アジア図

 本図は1893年にエディンバラとロンドンで刊行された地図帳に収録されていた東アジア図で主に中国と日本が描かれています。地図を手がけたジョンストン(Alexander Keith Johnston, 1804 - 1871)は、エディンバラを拠点に活躍した地理学者、地図製作者でイギリスにおける近代地図帳製作の基礎を築いただけでなく、自然地理学や動物学、植物学といった様々な近代科学分野の成果を地図や地図帳に反映させた主題別地図帳製作においても先駆的な役割を果たしたことが知られています。ジョンストンが手がけた地図帳は19世紀後半のイギリスにおいて最も権威ある地図帳として高く評価され、好評を博しました。

 ジョンストンはその称号として「F.R.S.E.」(Fellowship of Royal Society of Edinburgh、エディンバラ王室か科学アカデミー会員)をはじめとした数多くの肩書を有していることからも分かるように学術的な精度の高い地図製作者として様々な主題別の地図帳を相次いで出版し、そのいずれもが高い評価を得ました。本図は彼が手がけた数ある地図帳の中でも最も代表的な地図帳として知られる1861年に出版された『現代地理学王室アトラス(ロイヤル・アトラス)』(Royal Atlas of Modern Geography)の1893年改訂版に収録されていたと思われるものです。この地図帳はその第35図として収録されていた地図にあたります。ジョンストンの『ロイヤル・アトラス』は彼の没後も大英帝国における標準的な地図帳として改訂が重ねられ、第一次世界大戦前の時点で12を越える版が出されていたと言われており、明治期の日本における地図製作にも多大な影響を与えました。