書籍目録

『祝福されたイエズス会の殉教者、カルロ・スピノラの聖なる生涯』

ダッフルズ

『祝福されたイエズス会の殉教者、カルロ・スピノラの聖なる生涯』

1868年 スヘルトーヘンボス刊

Duffels, A.

HET LEVEN VAN DEN GELUKZALIGEN MARTELAAR CAROLUS SPINOLA, VAN DE SOCIËTEIT VAN JESUS,...MET TWEE PLATEN.

's Hertogenbosch, G. Mosmans, 1868. <AB202496>

Reserved

8vo (11.2 cm x 17.7 cm), pp.[1(Half Title.), 2], Front., pp.[3(Title.)-5], 6-168, 1 plate leaf, pp.[169], 170-353, 1 leaf (Inhoud), Contemporary half cloth on marble boards.
表紙に旧蔵機関による押印、見返しに旧蔵者の蔵書票の貼り付けあり。

Information

1867年の列福を記念して刊行された、元和の大殉教で犠牲となったカルロ・スピノラ伝

 本書で描かれているスピノラ(Carlo Spinola, 1564 - 1622)は、イタリア、ジェノバの名門スピノラ家出身のイエズス会士で、1602年に来日して1622年のいわゆる元和の大殉教で亡くなった人物です。スピノラは日本滞在中に精力的に布教活動に従事しただけでなく、その豊かな学識を生かして長崎の経度測定や、天文学、数学の日本への紹介など学問的に多大な貢献も成したことで知られています。スピノラの殉教は、それがヨーロッパに報じられると直ちに大きな反響を呼び、甥であるアンブロージオによる伝記が1628年にイタリア語で刊行されて、以後アントワープのプランタン社からラテン語版が1630年に刊行されるなどその伝記が繰り返し再版され続けました。本書は1868年にスピノラが列福されたことを記念して刊行された著作で、基本的にはスピノラ伝の名著として名高いアンブロージオの著作によりながらも、そのテキストをオランダ語に翻訳し、また列福に至った経緯や列福式典の様子などを紹介する記事も新たに設けられており、独自の充実した内容となっています。国内外の研究機関における所蔵が非常に少ないようで、おそらく国内での所蔵がないと思われる貴重な1冊です。

第1章:スピノラの生誕と幼少期 (p.5-)
第2章:イエズス会への入会と叙階 (p.15-)
第3章:インドに向けリスポン出発 (p.28-)
第4章:プエルトリコでの宣教活動 (p.38-)
第5章:イングランド船による捕縛と連行 (p.45-)
第6章:ポルトガル滞在と日本への出発 (p.53-)
第7章:日本について:聖フランシスコ・ザビエルのライコウと教会の創設、その驚くべき改宗活動について (p.61-)
第8章:日本の使節団のローマ派遣(天正遣欧使節)、太閤様の即位と迫害の始まり (p.84-)
第9章:フランシスコ会の日本到着と迫害の激化、太閤様の死 (p.100-)
第10章:日本におけるスピノラの初期の宣教活動、京都滞在 (p.119-)
第11章:長崎への出発と新たな迫害の勃発 (p.135-)
第12章:長崎での捕縛 (p.149-)
第13章:大村の地下牢における祝福された者たち (p.169-)
第14章:殉教を希求するスピノラ (p.187-)
第15章:親しい者たちへの告別 (p.196-)
第16章;祝福された者たちの平戸への連行 (p.207-)
第17章:死刑宣告 (p.216-)
第18章:地下牢から刑場への連行 (p.228-)
第19章:精華到来 (p.237-)
第20章:将軍様の退位と迫害の進展 (p.253-)
第21章:当将軍様の統治、穴釣りの拷問とヴィエラ神父とマストリリ神父の英雄的行為、出島におけるオランダ人 (p.281-)
第22章:最後の苦難と未来への希望 (p.313-)
    祝福されたカルロによる祈り (p.328-)
    スピノラらに対する列福勅令 (p.332-)
    教皇による祝福 (p.335-)
    205名の列福者リスト (p.345-)