書籍目録

トーレス

『観想的な旅人:俳諧の中のアカプルコ』

トーレス

1969年 メキシコ刊

Torres, Gildardo Martinez.

TURISTA CONTEMPLATIVO - ACAPULCO EN HAI-KAI -

México, B. Costa-Amic, 1969. <AB2020290>

¥22,000

13.8 cm x 20.5 cm, pp.[1(Half Title.)-3(Title.)-6], 7-148, 1 leaf(contents), Original pictorial paper wrappers.
ところどころ旧蔵者による書き込みあり

Information

メキシコの自然や風景、生き物たちを題材にスペイン語で表現された「俳諧」詩集

 本書は、タブラーダ(José Juan Tablada, 1871 - 1945)によって本格的にメキシコで広がることになった「俳諧」作品をスペイン語で詠むという試みに連なる作品で、1969年に刊行されています。著者のトーレス(Gildardo Martínez Torres, 1910 - ?)は、数学者、数学教師として活動する一方で、「旅」をモチーフにしてメキシコの自然や風景、生き物たちを「俳諧」作品で詠んだ詩集を発表しているという異色の経歴の持ち主です。本書は全4章構成(下記参照)で、それぞれの章の扉裏面には、彼が影響を受けた、あるいは収められている作品と関係が深い日本やメキシコの歌人の作品が2句掲載されていて、それに続いて彼自身の作品が掲載されています。作品は、随所に掲載された趣ある木版画によって彩られていて、著者の展開する世界を豊かに表現しています。

本書の構成

第1章:アカプルコにて
「アカプルコにて」

第2章:遊戯
「動物園」
「蚊」
「植物園」
「柳」

第3章:笑顔
「蝶」
「蛙」
「蛇」
「占い師」
「射手」
「メキシコ」
「嵐」
「アルファベット」

第4章:月と女性
「月」
「女性」

タイトルページ。
各章の冒頭にはそれぞれの扉がある。上掲は第1章「アカプルコにて」
各章の扉裏面には、彼が影響を受けた、あるいは関連のある作品2句が掲載されている。上掲の小林一茶など日本の歌人による作品が中心だが、メキシコ詩人による作品もある。
作品とともに木版画が挿入されていて世界観を表現している。
第2章:「遊戯」の扉裏面に掲載されている作品。メキシコに俳諧を本格的に紹介したことで大きな功績のあるタブラーダの作品が選ばれている。
「動物園」と題された作品には、随所に表情豊かな動物たちが描かれた木版画が挿入されている。
同じく「植物園」と題された作品も、花々の木版画で彩られている。
第3章:「笑顔」の扉裏面に掲載されている作品。
「蝶」
「蛇」
「占い師」
「メキシコ」
「アルファベット」
本文末尾
巻末に掲載されている目次