書籍目録

『カルロ・スピノラ伝』

アンブロージオ・スピノラ ・ヒューゴ訳

『カルロ・スピノラ伝』

ラテン語訳初版 1630年 アントワープ刊

Spinola, Ambrosio / Hugo, Herman (translator)

VITA P. CAROLI SPINOLÆ SOCIETATIS IESV, PRO CHRISTIANA RELIGIONE IN IAPONIA MORTVI:…

Antwerpen, Plantin (Balthasar Moretus), M. DC. XXX(1630). <AB2020287>

Sold

First edition in Latin.

8vo (10.0 cm x 16.5 cm), Title., 6 leaves, Front., pp.1-186, 2 leaves, folded plan: [1], Contemporary vellum
刊行当時のものと思われる装丁に傷みあり。旧蔵機関による押印、ラベルあり。一部に虫食い穴あるがテキスト損傷なし。

Information

20年に渡る日本での宣教活動後に元和の第殉教で犠牲となったイエズス会士スピノラの伝記決定版

 本書で描かれているスピノラ(Carlo Spinola, 1564 - 1622)は、イタリア、ジェノバの名門スピノラ家出身のイエズス会士で、1602年に来日し1622年にいわゆる元和の大殉教で亡くなった人物です。スピノラは日本滞在中に精力的に布教活動に従事しただけでなく、その豊かな学識を生かして長崎の経度測定や、天文学、数学の日本への紹介など日本に関する学問的な貢献も残したことで知られています。スピノラの殉教は、それがヨーロッパに報じられると直ちに大きな反響を呼び、甥であるアンブロージオによる伝記が1628年にイタリア語で刊行されています。本書はこれをラテン語に翻訳したもので、アントワープのプランタン社から1630年に刊行されています。

 本書は、宮崎賢太郎氏による、1706年ボローニャ刊のイタリア語版を定本とした邦訳(アンブロージオ・スピノザ著 / 宮崎賢太郎訳『カルロ・スピノラ伝』非売品、1985年)が刊行されており、同書目次によりますと、下記のような構成となっています。

スピノラ家の皆様方へ
宣誓書
第1章:出生と召命
第2章:イエズス会入会と修学
第3章:徳の修練
第4章;クレモナ布教とポルトガルへの旅
第5章:ポルトガル出発とブラジル到着
第6章:ブラジルからプエルトリコへの旅
第7章:プエルトリコへの布教
第8章:異教徒による拿捕とイギリス連行
第9章:イギリス出発とリスボン到着
第10章:インドへの再出発と日本到着
第11章:福音の宣教と日本における仕事
第12章:残酷なる迫害の開始と進展
第13章:日本残留と逮捕
第14章:牢獄の苦しみ
第15章:牢獄における態度
第16章:平戸への旅と再入牢
第17章:火刑の宣告
第18章:出牢と死

「アンブロージオは『スピノラ伝』を編むに際して、スピノラが書き残した多くの手紙と殉教の調査書をその骨子とし、欧州でさかんに出版されていたイエズス会日本書簡集や日本年報などを用いて肉付けを行なったようである。彼が使用したスピノラの書簡の中には未刊の多数のイエズス会総長宛のものが含まれており、殊に1617年10月5日付の総長ヴィテレスキ宛親展書簡も使用されているところを見れば、相当な権限を許され、ローマのイエズス会本部においてかなり徹底的な資料調査を行なったようである。(中略)交換するに不適当な個所、他修道会を著しく持ち上げた部分を省略した以外は、著者宣誓書の中で『慎重な考察を除いてはすべての史料をそのまま紹介し、改変した部分はない』と述べているように、原文に忠実である。その意味でスピノラの原書簡の所在が現在不明である15通の書簡がたとえ断片であろうと本書中に見出されることは、少なからず本書の価値を高めるものである。
 アンブロージオの『スピノラ伝』はスピノラ研究の現在に至るまでの最良のもので、ボエロ師の本書の増補訂正版を除けば、後続のいかなるものも本書の域を出ていない。(中略)本書は1628年ローマにおいてイタリア語で初版が出されたが、以後版を重ね、ラテン語、フランス語にも翻訳された。(後略)」
(アンブロージオ・スピノザ著 / 宮崎賢太郎訳『カルロ・スピノラ伝』非売品、1985年、12頁より)

観光当時のものと思われる装丁で傷みが見られる。
タイトルページ。旧蔵機関による押印が見られる。出版社はアントワープの名門プランタン社が手がけている。
目次①。本書は全18章で構成されている。
目次②
家系に処せられるスピノラを描いた銅版画口絵が収録されている。
本文冒頭箇所。
日本についての記述は第10章以降に見られる。上掲は、「第10章:インドへの再出発と日本到着」冒頭箇所。
「第11章:福音の宣教と日本における仕事」冒頭箇所。
「第12章:残酷なる迫害の開始と進展」冒頭箇所。
「第13章:日本残留と逮捕」冒頭箇所。
第14章の前には、スピノラが収監された鈴田牢の見取り図が折り込み図版で再現されている。
「第14章:牢獄の苦しみ」冒頭箇所。
「第15章:牢獄における態度」冒頭箇所。
「第16章:平戸への旅と再入牢」冒頭箇所。
「第17章:火刑の宣告」冒頭箇所。
「第18章:出牢と死」冒頭箇所。
本文末尾。
巻末には、プランタン社のでヴァイス(社章)が印刷されている。有名な「精励(常に忙しく動くコンパスの先)と不動(決して動くことのないコンパスの支点)」というモットーが記されている。