Category 幕末までの海外における日本研究（蘭学関連文献含む）

アンクティル / バスケス（訳）

『普遍史：あらゆる国々の人々の起源から今日に至るまでの発展の歴史』第9巻

スペイン語訳版 1802年マドリッド刊

Anquetil, Louis-Pierre.

COMPENDIO DE LA HISTORIA UNIVERSAL, Ó PINTURA HISTÓRICA DE TODAS LAS NACIONES, SU ORIGEN, VICISITUDES Y PROGRESOS HASTA NUESTROS DIAS. OBRA ESCRITA EN FRANCES…

Madrid, Imprenta Real, 1802. <AB2020212>

Sold

Spanish edition.

8vo (11.5 cm x 18.6 cm), pp.[1(Title.)-3], 4-384, plates: [24], Contemporary full leather.
装丁の皮革に傷みが見られるが綴じの状態に問題なし。

Information

絵踏に応じるオランダ人の姿を描いた銅版画を収録

　本書の原初者とされている、アンティクル（Louis-Pierre Anquetil, 1723 - 1808)はフランスの著述家で主に歴史学の分野で活躍したことで知られる人物です。本書は、彼の主著の一つ『普遍史』(Précis de l'histoire universelle, 9 vols. Paris) のスペイン語訳とされていますが、原著の忠実な完訳なのか、訳者がある程度自由に変更を加えたものかについては確認が必要です。本書の特徴は、「絵踏に応じるオランダ人」を描いた図版が収録されていることで、日本とキリスト教の関係を重視して論じつつ、交易維持のためにオランダ人が信仰を捨てて躊躇いなく絵踏に応じているとして批判的理に論じています。