書籍目録

『最新旅行記集成 』第1巻から第4巻

(ゴロウニン)(アマースト)他

『最新旅行記集成 』第1巻から第4巻

全8巻?中 1825年(第4巻)、1826年(第2巻)、1828年(第1巻、第3巻) ストックホルム刊

(Golovnin, Vasilii Mikhailovich)...[et al.]

BIBLIOTHEK för Nyare Resbeskrifningar.

Stockholm, ECKSTEINSKA Tryckeriet, 1825(vol.4), 1826(vol.2), 1828(vol.1 & 3). <AB201783>

¥194,400

Edition in Swedish.

12mo, 4 vols. (of 8 vols.?), Vol.1: Fly title, Title,1 leaf, pp. [1], 2-241. Vol.2: Fly title, Title, pp. [I], II-Vi, [1], 2-295. Vol.3: Fly title, Title, 1 leaf, pp.[1], 2-258. Vol.4: Fly title, Title, 3 leaves, pp.[I], II-XI, [1], 2-178, [1], 2-20, Contemporary half calf on black boards.

Information

「ゴロウニン氏の日本幽囚記」を含むスウェーデン語で編纂された旅行、航海記集成

本書は、これまで存在が確認されていないゴロウニン(Vasilii Mikhailovich Golovnin, 1776 - 1831)『日本幽囚記』のスウェーデン語版(抄訳)と思われる記事を含む貴重な文献です。ゴロウニンは、レザノフNikolai Petrovich Rezanov, 1764 - 1807)による1804(文化元)年の長崎来航と幕府による通商拒否、その部下による択捉島付近での略奪といった事件を背景に日露関係が緊迫していた、1811(文化8)年に国後島で幕府によって捕縛され、2年余にわたる抑留生活を余儀なくされました。ゴロウニンは帰国後の1816年に自身の体験を記した日本見聞記である『日本幽囚記』をロシア語とドイツ語で刊行し、同書は当時日本との交易関係を独占していたオランダ以外からの日本情報として瞬く間に好評を博しました。

 『日本幽囚記』は、英語、フランス語、オランダ語など多くのヨーロッパの言語に様々な形で翻訳されましたが、本書はこれまで知られることのなかったスウェーデン語による抄訳版です。本書は、もともと『最新旅行記集成(BIBLIOTHEK för Nyare Resbeskrifningar)』という当時最新の航海記、旅行記をスウェーデン語に翻訳(抄訳)して、スウェーデンの読者に届けるという叢書の第3巻として刊行されたもので、この叢書は少なくとも第4巻まで刊行されていたことが確認できます。

 本書に収録されている『日本幽囚記』は、日本についての概観と西欧諸国との交流史を簡単に振り返ってから、ロシアとの交流史、そしてゴロウニン自身の体験が論じられるという構成になっています。もともと大部の著作で知られる同書を數十頁にまとめていることから、原著を大幅に圧縮した抄訳であることは間違いありませんが、その編集構成が独特であり、何語の文献を底本をしていたかについて、まだ特定できていません。

 そもそもこの叢書自体が現在では極めて稀覯な文献とされており、本書を含めて市場に現れることが滅多にないと言われています。本資料第4巻末尾には、出版社であるECKSTEINSKA Tryckerietが、当時刊行していた書籍の分類とラインナップが掲載されており、本書の位置付けを知ることができる点も重要です。出版物は大別して6部門に分類されており、第1部門がスウェーデンとノルウェーの歴史、第2部門が最新地理学と統計、歴史と政治学、第3部門が教養書、第4部門は混合領域、第5部門は教育と児童向け、第6部門は宗教学となっていて、この叢書は第2部門に分類されています。

第1巻タイトルページ。南洋(太平洋)地域への航海記を3本収録している。
第2巻タイトルページ。Gaspard Théodore Mollien(1796 - 1872)による1822年、1823年のコロンビアへの航海記が収録されている。
第3巻タイトルページ。「ゴロウニン氏の日本幽囚記」を含む6本が収録されている。
「ゴロウニン氏の日本幽囚記」の冒頭部分。日本についての概観と西欧諸国との交流史を簡単に振り返ってから、ロシアとの交流史、そしてゴロウニン自身の体験が論じられるという構成になっている。原著を大幅に圧縮した抄訳であることは間違いないが、構成が独特であり、何語を底本をしていたかについてはまだ特定できていない。
第4巻タイトルページ。第1巻のGaspard Théodore Mollien(1796 - 1872)による1818年と1819年のアフリカへの航海記が収録されている。
第4巻末尾には、出版社ECKSTEINSKA Tryckerietの出版物案内が20ページにわたって掲載されている。出版物は大別して6部門に分類されており、第1部門がスウェーデンとノルウェーの歴史、第2部門が最新地理学と統計、歴史と政治学、第3部門が教養書、第4部門は混合領域、第5部門は教育と児童向け、第6部門は宗教学となっている。この叢書は第2部門に分類されている。