書籍目録

「ようこそ日本」

日本郵船 / 戸田芳鉄

「ようこそ日本」

(ポスター) [1930年] 東京刊

N(ippon). Y(usen). K(Aisha).(Japan Mail) / Toda, Yoshikane.

Visit Japan By Japan Mail.

Tokyo, [1930]. <AB2020140>

Sold

53.6 cm x 77.6 cm, 1 colored poster, rolled,

Information

国際観光局の発足に合わせて日本郵船によって作成された外客誘致のためのポスター

「大正昭和のビジットジャパン
 大正元年(1912)、外国人観光客の誘致、旅行斡旋のために、ジャパン・ツーリスト・ビューローが設立された。鉄道、汽船会社、ホテル旅館業者、劇場、各市町村などで組織された社団法人で、日本の観光旅行を普及したパイオニア的存在である。出版では、雑誌『ツーリスト』を刊行したり、ガイドブックを制作したりした。
 やがて、外貨獲得のために、1人でも多くの外国人を日本に誘致することが重要という意識が高まった。国を揚げて国際観光政策に力を注ぐことが要請され、昭和5年(1930)、鉄道省内に、国際観光局が設置された。以後、国家予算を使用し、海外への日本観光の宣伝活動が展開された。」

「客船による来日
 飛行機が無かった時代、日本へ訪れた人びとはみな、船に乗ってやってきた。1863年にイギリスのP&O社によって、ロンドン−上海−横浜線の欧州航路が開設し、1866年にはアメリカのパシフィック・メイル・スチームシップ社によって、サンフランシスコ−横浜−香港線が創設されて太平洋航路が誕生した。明治29年(1896)に、日本郵船が土佐丸をロンドンへ出航させたことから日本客船の海外航路が始まる。
 大正昭和の時期は日本船航路、外国船航路がそれぞれ充実し、次つぎに新しい船がつくられ、一方で世界一周の周遊船が訪れるなど、船舶会社とともに、横浜・神戸・長崎港など港湾も客船の黄金時代を迎えた。」

「浅間丸の周航と、鉄道省国際観光局の設立に合わせて製作されたポスターと思われる。桜に城郭が描かれている。」
(東京都江戸東京博物館編『美しき日本ー大正昭和の旅 展』東京都江戸東京博物館、2005年、30、38頁)