書籍目録

『ザビエル伝』

マッセイ

『ザビエル伝』

独訳初版 1714年 ナイセ刊

Massei, Joseph,

Lebens=Begrieff Deß Heiligen FRANCISCI XAVERII, Auß der Gesellschaft JESU / Grossen Indianer Apostels / und Wunderthätigen Pest=Patrons. Vormahlen in Wälscher Sprach beschrieben Von R. P. JOSEPHO MASSEI, Ermeldter Gesellschafft / Zu mehrer Ehr deß Heilige

Neys, Joseph Schlögel, 1714. <AB20176>

Sold

First edition in German

4to, Front., 8 leaves, pp. 384, errata, Contemporary calf
装丁に痛み激しい。背表紙下3分の1が革剥離、表表紙が外れかけているが、本体の製本状態は良好。

Information

国内で所蔵が確認できない貴重なドイツ語版

 マッセイ(Joseph Massei, 1626 – 1698)による『ザビエル伝』は、1681年に初版(イタリア語)が四つ折りで刊行されました。その反響は大きかったようで、早くも翌1682年には改定第二版が、同じく四つ折りでザビエルの肖像を新たに追加して刊行されています。さらに1684年に八つ折りの小型本で第三版(これには肖像画は含まれていません)が刊行されて以降、幾度も重ね、簡略版も刊行されるなど、19世紀に入ってもなお読み継がれるザビエルの伝記の中でもベストセラーとなりました。

 この本は、第一部(全8章)、第二部(全16章)、第3部(全16章)からなる大部の作品です。この中で、特に日本との関わりの深い記述が確認できるのは、第二部後半の第十五章から、第三部の初めから中程にかけてまでの日本でのザビエルの布教についての約70頁に渡る箇所と、かなりの紙幅が費やされていることがわかります。
 
 本書は、大変珍しいドイツ語訳で、国内ではラウレス文庫含め、所蔵を確認することができない大変貴重なものです。訳者についての詳細は分かっていませんが、序文においてドイツ語訳刊行にいたった経緯が述べられていると思われることから、実際に読み解くことでドイツ語版刊行の背景が見えてくることでしょう。

 また、このドイツ語訳版には、オリジナルのイタリア語版第二版に付されている口絵とは異なる口絵が確認できます。ドイツのバンベルクの修道院である聖ミヒャエル修道院図書館の蔵書印が、口絵下部とタイトルページ押されています。