書籍目録

『アメリカ改革派教会による南日本(九州)伝道素描』

(フルベッキ)外国伝道局

『アメリカ改革派教会による南日本(九州)伝道素描』

改訂増補版 1899年 ニューヨーク刊

(Verbeck, Guido Fridolin) Board of Foreign Missions.

SKETCH OF THE South Japan Mission OF THE REFORMED CHURCH IN AMERICA.

New York, Board of Foreign Missions, 1899. <AB2018128>

Sold

Revised and Enlarged ed.

12.1 cm x 16.3 cm, pp.[1, 2(Front.), 3(Title), 4, 5], 6-32, Original pictorial paper wrappers.

Information

フルベッキを嚆矢とする改革派教会による九州伝道の歩みを記した貴重パンフレット

 本書は、幕末から明治にかけてキリスト教伝道を最も精力的に行った教会の一つと言える改革派教会が、活動最初期からの拠点となっていた九州伝道の歩みについて記した貴重なパンフレットです。

 改革派教会の最初期の活動の最大の功労者として知られるフルベッキ(Guido Herman Fridolin Verbeck, 1830 - 1898)は、まだ幕府によってキリスト信仰が禁止されていた1859年に長崎に来日し、非常に困難な状況にありながらも英語教育活動を通じてのちに明治政府の有力者となる数多くの人物との交友関係を広げて、改革派教会の活動の礎を築きました。本書でも彼の功績を称えて、口絵に彼の肖像写真が掲載されています。

 本文中では、改革派教会が行ってきた数多くの事業や活動が主要人物らの紹介とともに記されており、フルベッキに招聘され長崎で伝道活動に尽力したヘンリー・スタウト(Henry Stout, 1838 - 1912)や、1887年に設立された東山学院(スティール・アカデミー)の貴重な写真なども収録されています。また、佐賀に設立された最初のプロテスタント教会、辻堂聖書講義所に集う面々の記念写真なども初期のプロテスタント教会の様子を伝えるものとして、大変重要なものと思われます。巻末には、1899年当時最新の九州各地における伝道活動状況が地図を交えて解説されており、この時点での彼らの自身の活動に対する歴史観のみならず、当時の具体的な活動状況を知ることもできます。

 本書はおそらく関係者のみに配布するような性質の少部数しか発行されなかったと思われるパンフレットですが、このように貴重な情報を数多く収録していることから、大変貴重な学術資料になりうるものと思われます。

改革派教会による九州伝道活動の最大の立役者であるフルベッキの写真が口絵に添えられている。タイトルページには改訂増補版とあるが、初版の存在と書誌を店主は確認できず。
本文冒頭箇所。
フルベッキに招聘され長崎で伝道活動に尽力したヘンリー・スタウト(Henry Stout, 1838 - 1912)。
1887年に設立された東山学院(スティール・アカデミー)の貴重な写真。
佐賀に設立された最初のプロテスタント教会、辻堂聖書講義所に集う面々の記念写真。
歴史だけでなく、1899年当時最新の九州各地における伝道活動状況が地図を交えて解説されている。
伝道活動に従事している(した)主要人物の一覧。