書籍目録

『インドと日本の使徒、聖フランシスコ・ザビエルの生涯と書簡』

『インドと日本の使徒、聖フランシスコ・ザビエルの生涯と書簡』

1895年 アムステルダム刊

Neiuwenhoff, W(illem Frederik). van.

LEVEN EN BRIEVEN VAN DEN H. FRANCISCUS XAVERIUS Apostel van Indié en Japan.

Amsterdam, G. Borg, 1895. <AB201825>

¥118,800

15.5 cm x 23.0 cm, pp.[I, II(Front), III(Title)-V], VI-VIII, [1], 2-752, Folding colored map: [1], Plate: [1], Contemporary half calf on marble boards.
付属の折り込み地図は痛みあり。

Information

19世紀末にオランダ語で書き下ろされた大部のザビエル伝

 本書は、19世紀も終わろうとしていた1895年にオランダ語で書き下ろされたザビエル(Francisco de Xavier, 1506 - 1552)の伝記です。750ページ余に及ぶ非常に大部の著作で、19世紀に刊行されたザビエルの伝記の中でも最大のものの一つではないかと思われます。

 著者のNieuwenhoff(Willem Frederik Nieuwenhoff, 1843 - 1907)は、オランダ語で数多くのイエズス会関係著作を刊行していたことで知られ、本書の他にもイエズス会創始者であるロヨラ(Ignacio López de Loyola, 1491 - 1556)の伝記、ザビエルのインド布教に協力した低地地方出身者であるベルゼ(Gaspar Berse, ? - 1553)の伝記とイエズス会の初期インド布教に関する研究所なども刊行しています。本書は、ザビエルの膨大な先行研究と書簡集を駆使して新たに書き下ろされたもので、全20章構成でザビエルの生涯を年代順に記述しています。記述は先行研究を参照しながら、ザビエルの書簡を交えてなされており、正確さと読み物としての面白みを両立させる工夫が取られているようです。また、巻末にはザビエルの布教の旅の航路を示す、折り込みのカラー地図が収録されており、本文の記述と照らし合わせて参照することで、より一層理解が深まることをはかっています。

 日本関係の記事も当然充実しており、第9章では1547年、日本人アンジェロ(YAJIERO)との出会いを中心に日本布教の決意を固める過程が描かれ、第13章から16章にかけてはザビエルの日本での活動の様子が、130ページ近くを割いて論じています。

 本書は、比較的新しいものとは言え、ザビエルの伝記としては見落とすことのできない大部の書作と思われますが、オランダ語で書かれたことも影響したのか、国内の研究機関では国際日本文化研究センターにしか所蔵がないようです。
 

750ページを越える大作。
ザビエルを描いた口絵とタイトルページ。
本文冒頭部分。年代順に関連書簡を交えながら記述が進む。
マラッカで日本人アンジェロ(YAJERO)と出会う場面。
1549年以降の日本布教については、第13章16章にかけて詳細に論じられている。
上川島でのザビエル帰天の場面を描く図。
巻末に収録されている折り込みのカラー地図。ザビエルの行程をたどることができる。