書籍目録

『極東の風景』

イザベラ・バード(ビショップ夫人)/ (鹿島清兵衛 / 清三郎)

『極東の風景』

(1896年) 東京(鹿島)刊

[Brid] Bishop, Isabella L(ucy).

VIEWS IN THE FAR EAST.

Tokyo, (Collotyped by) S. Kajima, (1896). <AB2023150>

Sold

Oblong (17.5 cm x 24.8 cm), Title., 2 leaves, 60 numbered photo leaves, Original decorative cloth bound in Japanese style.

Information

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「バードの作品に『中国写真集』があることは知られてきているが、この写真集(Views in the Far East, Photographed by Isabella L. Bishop, F.R.G.S., Collotyped by S. Kajima, 1896)のことは、まったく知られてきていない。製作年が記されていないために、数少ない所蔵機関の一つ、国立スコットランド図書館でさえ製作年自体を1880年と推定しているほどである(1878年の旅の折の作品とみなしていることになる。とんでもない推定である)。しかし、10.9 x 14.9 センチの60点の写真を収載する、縦17.5センチ、横24.8センチ、厚さ13.5ミリのこの写真集にはいくつもの価値がある。まず、1894年2月19日の横浜上陸から始まった3年余りに及ぶ極東の旅の全体をカヴァーする写真集であるという点で、『中国写真集』にない価値がある。このことは、バードのこの極東の旅が、写真を旅の手段・道具として生かす旅でもあったことからすると、一層注目してよい。60点の写真の内訳は、朝鮮で撮影されたものが12点、日本で撮影されたものが11点、中国で撮影されたものが37点となっているが、中国の写真中5枚目のものは、朝鮮で撮影された可能性がある。また、A・M・ストッダートがバードの伝記の327頁で記していることからすると、この写真集は、バードが自分の撮影した写真をコロタイプ写真にして販売し、四川省の保寧府に設立したヘンリエッタ・バード病院の活動を助けようとしたことから生まれたものだと考えられる点でも注目される。医療伝道活動との関わりを抜きにしては語れない彼女のこの時期の旅の本質と不可分に結びつく中から生まれた写真集なのである。」
(金坂清則(編訳)『イザベラ・バード 極東の旅1』(東洋文庫739)平凡社、2010年(第2刷)解題255,256ページより)