Category 明治期以降の海外における日本研究（日本人による欧文著作含む）

匿名

『ロシア人と日本人：政治的、軍事的ノート』

1904年マドリッド刊

R.P. / P. M.

Rusos y Japoneses. APUNTES POLÍCOS Y MILITARES.

Madrid, LOS-HIJOS DE M. G. HERNÁNDEZ, 1904. <AB201818>

Sold

8vo (12.0 cm x 18.0 cm), pp. [1(Fly Ttitle)-3(Title)-7], 8-114, with folding map, Original paper wrappers.
本文は封切りされていない状態。

Information

日露戦争によってスペインでも急速に注目が高まった日露関係論

　1904年2月8日に始まった日露戦争は、世界中で改めて日本への注目を集める契機となりましたが、本書は、そうした動きがスペインでもあったことを裏付ける書物です。

　ヨーロッパ社会において伝統的な成員の地位にあるロシアと、開国して西洋文明を吸収し始めて間もない日本との開戦がどのような意義を持つのかということは、大変興味深い主題であることを匿名の著者は序文で述べています。その問題意識に沿って、本書は全5章で構成されており、「ロシア帝国」「満州」「大韓帝国」「日本」「今般の紛争に関心を抱く諸国」という章題がそれぞれ与えられています。当該地域の基本情報から戦争に至る経緯と背景を説明しているようで、日露戦争を理解する上での基本情報をスペインの読者に提供しようという意図が伺えます。また、本書の巻末には本文の理解を促進するために、極東地域全体を対象にした折り込みの地図が収録されており、当該地域の地理情報を容易に得られるようにしてあります。

　なお、本書の表紙には「墨継示」という押印がなされており、旧蔵者によるものと思われますが、これが誰であるのかは不明です。

「墨継示」と表紙に押印されているが、これが誰なのかは不明。

目次。

本文冒頭。

巻末に収録されている折り込みの極東地図。