書籍目録

『ニッポン』

国際観光局 / 鉄道省

『ニッポン』

刊行年不明(1930年代後半) 東京刊

Board of Tourist Industry / Japanese Government Railways.

NIPPON

Tokyo, Kyodo Printing Co, n.d. (late 1930s?). <AB2023091>

Reserved

18.4 cm x 25.5 cm, 18 leaves with 2 colored leaves (i.e. total 20 leaves), Original pictorial paper wrappers.

Information

国際観光局が手がけた、海外向けに日本を紹介する「グラビア」小冊子

ただいま解題準備中です。今しばらくお待ちくださいませ。

「1930年、国際観光局が設置される。外国人旅客誘致を通じた経済振興を目的に新設された、鉄道省の外局である。この機関から海外向けの定期刊行物として1934年に小冊子『ツーリスト・ライブラリー』が、翌年にはグラフ雑誌『トラベル・イン・ジャパン』も創刊され、外客の誘致が外貨獲得のために官民を挙げて推進される。また、1933年の国際連盟脱退によって低落した日本のイメージの回復を図るべく、その翌年には外務省の外郭団体として国際文化振興会(国際交流基金の前身)が発足する。国際的国立が深まる中、日本文化を海外へと発信する諸機関がこの時期に相次いで立ち上がる。
 (中略)万国博覧会(1937年のパリ万博のこと:引用者注)出品の写真壁画としては日本初・日本最大となった《日本観光》の制作は、国際報道写真協会が請け負った。中央工房内に1934年に組織されたこの機関は木村伊兵衛や渡辺義雄、伊奈信男、原弘といった面々が名を連ねる写真エージェンシーとして、主に海外向けの写真を配信しており、国際観光局はこうしたフリーランスの集団に前述のようなグラフ雑誌の撮影をはじめとした事業・業務を発注していた。」
(小原真史ほか『富士幻影:近代日本と富士の病』IZU PHOTO MUSEUM、2011年、29ページより)