書籍目録

『女王の従兄弟、日本のキリスト教伝道の歴史物語』

スピルマン

『女王の従兄弟、日本のキリスト教伝道の歴史物語』

(19世紀後半?)

Spilmann S. J., Jos.

DE NEEF DER KONINGIN. EEN VERHALL UIT DE Geschiedenis der Japansche Missiën.

'S BOSCH, G. MOSMANS SENIOR, not dated. <AB201810>

Sold

8vo (12. 7 cm x 19.8 cm), Front, pp. [I(Title)-III], IV, [5], 6-128, Contemporary gilt tooled cloth.

Information

九州豊後の王Siwanをめぐる16世紀日本のキリスト教伝道物語

 本書は、19世紀後半に刊行されたと思われるもので、九州豊後の王Siwanをめぐる物語を通じて16世紀の日本におけるキリスト教界の様子を描き出す、オランダ語で書かれた大変ユニークな文献です。

 豊後の王Siwanとは、豊後のキリシタン大名であった大友宗麟をモチーフにしていると思われる空想の人物のことです。大友宗麟をモチーフに「豊後の王Siwan」として描いた物語としては、ボーモン夫人(Jeanne-Marie Leprince de Beaumont, 1711 - 1780)による教育小説(Civan, roi de Bungo: histoire japonnoise ou tableau de l'education d'un prince. 1754)が有名ですが、本書との関係は店主には不明です。著者についても詳細なことはわかっていません。そもそも本書自体の現存数が極めて少ないのか、国内の研究機関にも全く所蔵されていないことから、これまで全く研究されたことがない文献と思われます。19世紀後半の日本の表象の一つてして大変ユニークな文献と言えるものでしょう。

口絵とタイトルページ。豊後の王シヴァンを題材とした作品としては、ボーモンによる『豊後の王シヴァン(Civan, roi de Bungo. 1754)』が思い浮かぶが、本書との関係は不明。
序文(導入部)。
本文冒頭。
刊行当時の装飾が施されたクロス装丁。