書籍目録

『日本関係文献目録:15世紀から今日に至るまでに刊行された日本に関連する作品の目録』

パジェス

『日本関係文献目録:15世紀から今日に至るまでに刊行された日本に関連する作品の目録』

初版 1859年 パリ刊

Pagés, Léon.

BIBLIOGRAPHIE JAPONAISE OU CATALOGUE DES OUVRAGES RELATIFS AU JAPON QUI ONT ÉTÉ DEPUIS LE XVe SIÈCLE JUSQU’A NOS JOURS;…

Paris, Benjamin Duprat, Libraire de l’institut impérial de France, MDCCCLIX(1859). <AB2020185>

Donated

First edition.

4to (21.2 cm x 26.0 cm), Title., 1 leaf, pp.1-67, [68], Half cloth on original cove boards.

Information

欧文日本関係図書目録の原点となり、キリシタン版を初めて紹介した日本関係書目の金字塔

「陳列台も終りに近い処につみ重ねた十数冊の山があった。何かが見つかる時特有の予感もあった。重なっているのを横から書名を見る。真中ほどに見覚えのある一本があった Léon Pages の Bibliographiée Japonaise. パリ1859年刊の背文字。グッと息をのみ込んだ。きけば、これはS堂の追加出品で目録には載せてなく、しかも展覧第2日つまりその日に出てきたとのこと。懐工合を考えてはいられない。逃せばまた何年先に廻り会えるか判らない本である。西洋の古書目録でも戦後見たことはない。いわゆる Extremely rare か scarce という本である。紙入れは軽くなったが、気持ちは楽しい。心浮き浮きである。(中略)
 ここで、大方はご存知とは思うがこのパジェス『日本書目』の概略を書き添えることとする。
 その詳しい伝記は存在しないが、レオン・パジェスは1814年パリに生まれ、1886年に逝去した。一時は清国(中国)のフランス公使館に勤務したこともあり、そのころの訳業であるらしいザヴィエル書翰集をラテン文から仏訳した2巻本 Letteres de S. François Xavier……が、のち1855年にパリで出版されている。熱心な日本研究家であったパジェスの壮年期は、わが国がちょうど開国の黎明期に当たっていたときである。その以前からフランスは東洋学のさかんなところである。研究の地盤は好適であったにちがいない。『日本書目』−詳しくは15世紀以来1850年代までの日本関係著作目録−はヨーロッパ文の日本関係文献目録で、ジパング紹介者のマルコ・ポーロの1496年刊本から始まっている。1859年パリ刊で、序文一葉、本文索引ともで68ページ、四つ折リ本(21.5 x 26.5 cm)に約700類の文献が収録されている。パジェスの真摯な日本研究途上の産物とみてよいと思う。(後略)」

「パジェスの『日本書目』は日本関係欧文書の纏まった書誌として最初のもの、第一書といってよい。これ以後の諸々の日本書目の出発点となった功績はいなめない。」

(「『江戸名所図会』とパジェス『日本書目』のこと」より、八木佐吉『書物往来』東峰書房、1975年所収)