書籍目録

『新東洋』(雑誌)

ロバートソン・スコット(編)エリザベス・キース他多数寄稿

『新東洋』(雑誌)

創刊号から最終号(全19号揃い) 1917年6月〜1918年12月 東京刊

Scott, J. W. Robertson (ed) / Keith, Elisabeth…[etal.]

THE NEW EAST.

Tokyo, The New East Office(新東洋社), June, 1917 - December, 1918. <AB2020181>

Reserved

19 issues (Complete: Vol.1(No.1-No.7), Vol.2(No.1-No.6), vol.3(No.1-No.3))

18.4 cm x 25.7 cm, *各号の詳細な書誌情報は下記解説参照。, Original paper wrappers.
第1巻第3号欠損箇所(英文pp.53-58)あり。第3巻第2号欠損箇所(英文pp.121-122, 149-154, 165-168, 211-212)あり。第3館第4号欠損箇所(英文pp.345-350)あり。全体的に容姿が酸化傾向にあり、表紙や本誌の余白に破れや傷みが見られる。

Information

第一次世界大戦下のイギリスによる対日プロパガンダとなるべく刊行されたにもかかわらず、その枠組みをはるかに越えた総合雑誌として編集された稀有な雑誌の貴重な全巻揃い

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 本誌はイギリスのジャーナリスト、著作家であるロバートソン・スコット(John William Robertson Scott, 1844 - 1887)によって第一次世界大戦中の1917年から1918年にかけて東京で刊行されていた英文記事、和文記事の両方を掲載した評論雑誌の全巻揃いです。イギリス外務省の対日宣伝工作の一つとして資金援助を受けた上で刊行されていた雑誌でもあり、ドイツとの結びつきが強かった日本に対してイギリスへの関心と好意を増加させ、またイギリス、アメリカにおける日本への好感を高めるためことを目的とされていました。とはいえ本誌には、単なるプロパガンダ記事にはとてもおさまらない実に多彩な優れた記事が多数掲載されており、政治、外交、経済、社会問題だ毛でなく、演劇や文学、詩、イラストも含めた日英共同の総合雑誌として大変興味深い雑誌となっています。イギリス政財界の援助にもかかわらず実際の発行部数はそれほど多くなかったようで、また1年半余りと短命に終わってしまったこともあって、国内でもまとまった所蔵がほとんど確認できない雑誌ですので、全号揃いは大変貴重な資料であると思われます。

 スコットはBirmingham Gazette誌やPall Mall Gazette、Daily Chronicleなどの著名な雑誌に、フリーあるいは専属の記者として多くの記事を寄稿していたジャーナリストで、ボーア戦争に反対したり、農村生活の実情と意義を都市部の読者に伝えることに熱心に取り組んだりもしていたユニークな経歴を持っています。第一次世界大戦が始まった頃に来日したと言われていますが、彼の詳しい来日経緯や背景についてはあまり多くのことはわかっていません。ただ、本誌に寄稿している執筆陣の多彩さに鑑みると、来日後に政財界、学界、文壇をも含む多方面にわたる人的ネットワークを短期間で築いていたことが窺われます。スコットは来日前のジャーナリストとしての豊富な経験を買われて、本誌の編集者(主筆)に抜擢されたものと思われますが、驚くほど幅広い分野にわたる日英双方からの寄稿者を集めることができたのは、彼の編集者としての力量が遺憾なく発揮されたものと言えるでしょう。

 1917年6月に創刊された本誌は、その創刊号にコンノート殿下(Prince Arthur, First Duke of Connaught and Strathearn, 1850 - 1942)による序文を高々と掲げ、スコットによる「新東洋の所信」と題した社説、寺内正毅首相による「日英同盟は天意なり」、本野一郎外務大臣による「日英同盟を永続すべし」と題した論説など、日英の権威とスコットの意気込みを結集した従実した記事によって始められています。本誌の構成は号によってかなり変遷がありますが、概ね100ページ長の英文記事と40ページ前後の和文記事、ならびに英語、日本語それぞれの広告が掲載されています。英文記事と和文記事は同じ内容の記事(つまり一方は翻訳)が掲載されるだけでなく、それぞれに独自の記事も多数掲載されています。創刊当時から英文記事がより充実している印象がありますが、その概要を日本語でも掲載するなど、日本語だけしか読めない読者にも一定の配慮がなされています。ただし、次第に英文記事が中心となっていったようで、第3号以降はほとんど英文雑誌のようになっています。

 収録記事は、社説、目下進行中の戦争に関連した時事評論が概ね冒頭に掲載されており、その論調は、ドイツによる戦争犯罪と未曾有と惨劇と化していた悲惨な戦争の責任がドイツにあることを糾弾し、イギリスと日本とがいかに親密であるかを強調することが主軸となっています。ただし、あからさまに読者にプロパガンダ的という印象を与えすぎないように配慮がなされているようで、読後に結果的にイギリスに対して好意的な印象を自然と読者が有するように穏やかに誘導しているに見受けられます。時事評論に続いては、日英の文芸や歴史に関する記事、中国、アメリカなど各地からの通信記事、詩や小説、イラスト、書評記事、主要雑誌に掲載された注目すべき記事の概要などが掲載されており、これらの記事の充実ぶりが、当初の目的であった対日プロパガンダという枠組みをはるかに超えた総合雑誌に本誌をならしめていると言えます。主要な記事の一部を簡単にまとめるだけでも下記のような興味深い記事の数々が並んでいます。

第1巻第1号(1917年6月)
【和文】
* コンノート殿下令旨
* 新東洋の所信(社説)
* 日英同盟に於て(寺内正毅(首相))
* 日英同盟を永続すべし(水野一郎(外相))
* 日英同盟継続の要件(カアゾン伯爵(前インド総督))
* 日本人のドイツかぶれ(姉崎正治)
* 知らずして判断する危険:解決手段としての『新東洋』(無記名)
* 欧州政治の40年:軍特主義の哲学(G. W. プロゼロ(Quartley Review誌主筆))
* ロンドンの回想:日本の貴族院議長が疑国会に臨まれし経験(徳川公爵)
* トルストーイに関する平明の真理(エルマー・マウド)
* インド国民と英政府:率直なる陳述(バウナグリ(インド帝国司令官))
* ドイツは自ら飢餓に瀕し而してその責を他国に嫁す(海外通信)
* ドイツの一学生(海外通信)
* 『新東洋』の改良法
【英文】
* 戦後のドイツの態度(井上勝之助)
* 「アメリカが私にとって意味したもの」(鶴見祐輔)
* ルーズベルト大佐と日本:本誌へのメッセージ
* 教室におけるラフカディオ・ハーン
* 中国に関する最良の書物たち:北京のモリソン博士の図書コレクションについての覚書
* 知見なきニュースがもたらす多大な問題と本誌がこの問題をいかに解決しようとするか
* 禅、東洋における精神的遺産(鈴木貞太郎(大拙))
* 「東京」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第1巻第2号(1917年7月)
【和文】
* 政治家の試練(社説)
* 英国人の常識(菊地大麓)
* 東西文明の調和(大隈重信)
* 文明対非文明(副島道正)
* 欧州政治の40年(プロゼロ)
* 支那研究とモリソン博士
* 岡本三右衛門の墓
* 思い出づるままに:バーナード・ショウ(一英婦人)
* ほか
【英文】
* 戦国民生活の自覚(社説)
* 戦争は何故に拡大するや(ゼームス・ブライス(前駐米英大使)
* 支那騒擾の真情(フレイザー)
* 極東の強国(末松謙澄)
* 日支両国の親善(吉野作造)
* 幾万人を悩ます疫病
* 知識欲と自由意志(柳宗悦)
* 『非論理的な禅』(鈴木貞太郎(大拙))
* 「牛乳売り」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第1巻第3号(1917年8月)
【和文】
* 支那最近の政変に関する歴史的観察(吉野作造)
* 何故に戦争は拡大するや(ブライス)
* 欧州大戦の鳥目観(ヒュー・バイヤス)
* 我が郷里の庭園(エリザベス・キース)
* H・G・ウェルズ(スコット夫人)
* ほか
【英文】
* 東西両洋の混合教育(社説)
* 支那問題(D・フレイザー)
* 愛は掠奪者なり(有島武郎)
* 帝国海軍と英人(斉藤実)
* 日本の学生(新渡戸稲造)
* 「科学に敬意を表して」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第1巻第4号(1917年9月)
【和文】
* 世界の大勢に関して日本人の反省を求む(ロバートソン・スコット)
* 英国へ輸入する日本品の制限について(社説)
* 政治上より見たる日英同盟(松山忠二郎(東京朝日新聞主筆))
* 経済上より見たる日英両国の関係(対島健之助(東京日々新聞主筆))
* 潜航艇戦の敗北(ヒュー・バイヤス)
* 初対面(H・G・ウェルズ)(スコット夫人)
* 恋愛と結婚(一英国婦人)
* ほか
【和文】
* 皇太子殿下の御教育
* 男女投票について(ザンウィル)
* 支那だより(デイビッド・フレイザー)
* オックスフォド大学生活(一英人老書生)
* 大戦局面の変化(ヒュー・バイヤス)
* 人生における禅味(鈴木貞太郎(大拙))
* 列強関係の日本書紀時代(トリート)
* 日本におけるタゴールの言論
* 英国の学校生活について(支那におけるドイツの商業関係)
* (イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第1巻第5号(1917年10月)
【和文】
* 何故ノルウェーは参戦せざるか(社説)
* 英国における労働組合の組織(シドニー・ウェッブ)
* 最近の同盟罷工(桑田熊蔵)
* 日本の精神的動揺(姉崎正治)
* 大英国の世襲的共和政治(スマッツ)
* ザンウル氏の印象(スコット夫人)
* 恋愛と結婚(一英国婦人)
* 大戦月報(独軍の失敗と英軍の勝利)(ヒュー・バイヤス)
* 人類の投票権(ザンウィル)
* 英国大学生活(ケンブリッジ)(一英人老書生)
* 菊池男爵の訃報
* ほか
【英文】
* 欧州中立国は何故に道面軍に参加せざるか
* 米国の銅鉄輸出は何故に重大問題なるか
* 妻は米人、夫は日本人
* 合衆国の戦時の盛況
* 死者の霊魂(心霊研究)(エフ・エー)
* 衣服と裸体(スコット夫人)
* 希望(詩)(トマス・ハーディー)
* 支那通信(フレイザー)
* 「神道の司祭」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第1巻第6号(1917年11月)
【和文】
* 余が大戦観(渋沢栄一)
* 日英両国離婚法の対照(穂積重遠)
* 日英両国史上の対照(ショート)
* 『悲劇』(レーメー・カー)
* 日本の商業道徳について(デビッド・ルビン)
* ロンドンの乗合馬車(スコット夫人)
* 大戦月報(ヒューバイアス)
* 幼心に映ぜし東洋(スコット夫人)
* キース嬢の戦争漫画展覧会
* ほか
【英文】
* 論説
* 時事評論
* 日本に寄する辞(バーナード・ショウ)
* 日本農村生活について(ロバートソン・スコット)
* 社会的正義の一大実験(ヒュー・バイアス)
* 日本人の雑婚(一米人)
* 支那通信(フレイザー)
* 朝の翼に乗りて(小説)(スコット夫人)
* 大戦月報(バイアス)
* チリにおける日本の利害(ヴァルパライソ通信員)
* 日本海軍の英国水兵(メイソン)
* インドに関する誤解(一インド人)
* キース嬢の漫画展覧会より4作品(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第1巻第7号(1917年12月)
【和文】
* キリスト教と大戦(イング)
* 日本封建時代のクリスマス(グリフィス)
* 偉大なる記者の生涯(社説)
* 日米の協同宣言(社説)
* ロンドン工芸講習所(スタッド)
* 日本の農村生活(ロバートソン・スコット)
* 大戦月報(ヒュー・バイアス)
* 社会的正義の一典範(一通信員)
* 時事評論
【英文】
* 石井・ランシング協定について
* ロダンとドガ(スコット夫人)
* アイルランドの庭園(グリーン夫人)
* 日本の農村生活(ロバートソン・スコット / エリザベス・キース挿絵)
* ドイツの国際法破棄(アーネスト・サトウ)
* ベネット氏のモデルに会う(スコット夫人)
* 人類文化の曙光(マンロー)
* 支那通信(フレイザー)
* 女性運動
* 新日本行①「車掌さん」(詩)
* ほか

第2巻第1号(1918年1月)
【和文】
* 将来の理想的結婚(ハブエロック・エリス)
* 日本りんご栽培業の衰退と前後策(米国一りんご栽培業者)
* メソボメミヤにおける英軍の努力(シデナム)
* 爽快なる英国潜航艇遠征機(ロンドン通信員)
* ドイツ劇壇の新運動(ハーグ通信員)
* ブラジルにおける日本移民(さん・パウロ通信員)
* ドイツと音楽の天才(一音楽家)
* 時事評論
* ほか
【英文】
* 社説
* 時事評論
* 新タイプライター
* 大戦月報(バイアス)
* 支那通信(フレイザー)
* 新日本行②(詩)「カンゴフサン(看護婦さん)」(イラスト)(エリザベス・キース)
* 兄(小説)
* 新刊紹介
* 「徳川公」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第2巻第2号(1918年2月)
【和文】
* 十字軍の伝承(社説)
* 似非平和論者(社説)
* 大戦と米国製鉄業(社説)
* 憐れむべき不信者よ(社説)
* フランス兵士の特質(ローレンス・ビンヨン)
* 春期における空中攻撃戦(バイヤス)
【英文】
* 露国過激派問題(社説)
* 世界の進歩(政治と人生、文芸、科学)
* 戦時の世界
* 戦局の現状(バイアス)
* 時事評論
* 東京だより(日本通信員)
* ユダヤ人問題(ベンサザン)
* 大戦の後(マクドナルド)
* 日英と海洋(ブリッジ)
* 日本におけるキリスト教の功績(ウェーンライト)
* 明治初年の外国植民②:トーマス・グラバー(メイソン)
* 古都奈良巡遊(一米国人)
* 支那通信(大戦と疫病と過激派)(フレイザー)
* 真理は自由を與えん(小説)(スコット夫人)
* 新日本行(詩)③「消防夫さん」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第2巻第3号(1918年3月)
【和文】
* 日本語の勢力(日本研究家)
* 大戦と英国劇壇(オスマン・エドワーズ)
* 欧州政治管見(一政治学者)
* 阿鼻叫喚の港へ(ジョン・メースフィールド)
* 日英と海(シプリエン・ブリッジ)
* 大戦月報(ヒュー・バイヤス)
* 明治初年の外国植民③:エドワード・ハワード・ハウス(メイソン)
* 時事評論
* 英独宣言の対照
* ほか
【英文】
* 鎖国時代の日本(マードック)
* 日本文化に対する賛辞(日本研究者)
* 自然と芸術の関係(オスワルド・サイレン)
* 禅の実行(鈴木貞太郎(大拙))
* 日本織物の過去未来(黒田琢馬)
* 芸者の真相(一日本人)
* 露国政党の信条(マニユエル・コムロフ)
* 変遷しつつある米国(フランク・ダブルディ)
* 支那通信(フレーザー)
* わかれ(小説英訳)(森鴎外)
* 新日本行④(詩):「按摩さん」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第2巻第4号(1918年4月)
【和文】
* 欧米新聞と日本の大戦態度(社説)
* 英米親善関係と自由戦争(ラルフ・ペイジ)
* オランダ若し開戦せば(ロバートソン・スコット)
* 東洋におけるポルトガル人(フランシス・ボレテロ)
* 真の愛国心とはなんぞや(ロバートソン・スコット)
* 時事評論
* ほか
【英文】
* 日本陶器等の過去未来(バーナード・リーチ)
* 豪州人の特質(豪州通信)
* 新日本行⑤(詩):「号外屋さん」(イラスト)(エリザベス・キース)
* 黒船渡来(ジェームス・マードック)
* 本年度戦局の将来(ヒュー・バイアス)
* 明治初年の渡日外国人④:イザベラ・バード嬢(メイソン)
* 東京に於けるハムレット劇(スコット夫人)
* 亜歴山(アレキサンドル)一世とロシヤ革命家
* 支那通信(フレーザー)
* 日本田園生活
* シベリア出兵と日本及び総合諸国
* 時事評論
* ほか

第2巻第5号(1918年5月)
【和文】
* ドイツの罪状歴然(社説)
* 独大使の手記
* 英文重要記事梗概
【英文】
* シベリアの形成私観(一通信員)
* 朝鮮人の道徳的理想
* 英国大学の日本学生
* 明治時代の外国人
* 東西の角力(挿絵入り)(ネヴィル・ピゴット)
* 大戦の終局奈何(ギルバート・マレー)
* 悟道(鈴木貞太郎(大拙))
* 明治時代の外国人⑤:ニコラス・マクロード(メイソン)
* 自動車雑事
* 支那通信
* 新日本行⑥(詩):「車屋さん」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第2巻第6号(1918年6月)(1周年記念号)
【和文】
* 独露両帝の秘密電報
* 英文欄重要記事
【英文】
* 連合軍が必勝なる理由(大戦研究者)
* 支那人農夫を北米に輸入する議(ウォーレー)
* フランク・ブランギン(某氏)
* 海面埋立案(地図入)(和蘭旅行家)
* 英国四名士の述懐(チャーレス・スウィート)
* ロシヤの過去及び現在(リオン・ブリーズ)
* 江戸の大火(マードック)
* 秘密電報
* 英国経済界の潮流(ロンドン通信)
* 日本学生の外人観(一外国教師)
* 明治時代の外国人⑥:ウォルター・デニング(メイソン)
* 「裁縫士」(イラスト)(エリザベス・キース)
* 森律子(挿絵付き)(エリザベス・キース)
* ほか

第3巻第1号(1918年7月)
【和文】
* 日米同盟は既存の事実(主筆)
* 社会的勢力としての活動写真(メリー・ストーブス)
* 男子の西洋礼式
* ドイツの国情と大戦の由来(ジョージ・セール)
* 英文欄記事要目
【英文】
* 英国三大政治家の印象(ブリーズ)
* 英語教授
* 日本羊毛業の将来
* アーネスト・サトウ氏の書簡
* インド問題大観
* 日英同盟
* 英国の庭園(スコット夫人)
* 英国より寄贈されし水槽
* 新日本行⑦(詩):「姐さん」(イラスト)(エリザベス・キース)
* 赤穂四十七士(マードック)
* バーナード・ショウの人物
* 日本における空中窒素製造
* ロシヤに奇する希望(マニュエル・コムロフ)
* ラフカディオ・ハーン(肖像、自筆入)(メイソン)
* 支那通信(フレイザー)
* ほか

第3巻第2号(1918年8月)
【和文】
* 男子の西洋礼式
* 英文欄重要記事
【英文】
* ヌーヴ・シャペルにおける第90連隊(一生存者)
* 内地在住外人の食物節約法
* 田尻子爵の珍味
* 出版業者のタイマン
* 都市発達問題(挿絵入)(ポール・ウォーターハウス)
* インド教育問題
* 日本人はアリア人種
* 支那人に愛国心ありや(チアウ)
* 新日本行⑧⑨(詩):「草とりさん」「巡査さん」(エリザベス・キース)→欠損
* 犬公方綱吉(マードック)
* 良心の有無(ゲール)
* 支那通信(フレイザー)
* 愛の奇蹟(スコット夫人)
* 戦時のクエかー宗徒(ルス・フライ)
* 萩原新三郎の夢(英訳怪談)
* 俘虜脱走記
* 日本刀と刀剣師(挿絵入)サドラー
* 大英帝国の組織
* 遠泳(挿絵入)(ピゴット)
* とうようたより
* 15年前のドイツ
* ほか

第3巻第3号(1918年9月)
【和文】
* 英文欄概要
【英文】
* 出兵とシベリア前後策(某ロシヤ通)
* 海上権とドイツの暴論(アーネスト・サトウ)
* 東西乎、南北乎(東洋在住外人)
* 深海高知の毒殺事件実話(某犯罪学者)
* 香港大学の事業(南支那通信)
* 支那政府とローマ法王の関係(フレーザー)
* 大戦の影響と英国の将来(バーミンガム大僧正)
* 英国におけるトルストイ主義者の生活(前トルストイ村居住者)
* 合衆国における社会制度の実験(北米通信)
* 欧亜戦場の近況(挿絵入)(一実戦参加者)
* 日本のブラジル貿易(南米通信)
* 米人の対日感情(北米通信)
* 明治の外国人⑨:ジョン・フレデリック・ラウダー(メイソン)
* 新日本行(11)(詩):「炉端の茶屋」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第3巻第4号(1918年10月)
【和文】
* 内容一班
【英文】
* 『さらば』自裁の辞(主筆)
* 西部戦場従軍通信(一戦死者)
* サロニカ通信
* 英訳都々逸(尾崎夫人)
* 英国における撃剣術(セオドア・クック)
* 支那影絵芝居の一夜(バーナード・リーチ)
* 畏怖には苦痛あり(小説)(スコット夫人)
* 英国紋章瑣談(アンプローズ・リー)
* 一葉女史『母と妻』(英訳)(津田梅子)
* 北米の対東洋態度(読者通信)
* 心霊的国家としての日本(アイザック・ドーマン)
* 南洋の反乱(目撃者)
* 英国のエジプト領有始末(某氏)
* 慶安の乱(マードック)
* 新日本行(其十三)アイヌ老盲婦(エリザベス・キース)
* グラッドストンと対外政策(プリーズ)
* 世界語
* 明治の外国人⑩:ブリンクリー氏(肖像入)(メイソン)
* 『新東洋』の信念
* 写真(ロマ字)(鈴木三重吉)
* 世界の戦局(最近従軍者)
* ロンドン文芸雑話
* 火葬の祝福(北京通信)
* 故本野子爵遺愛の漫画(エリザベス・キース)
* ほか

第3巻第5号(1918年11月)
【和文】
* 内容一班
【英文】
* 勝利の詩(タゴール)
* 大戦の大詰(挿絵入)(最近従軍者)
* 欧州未来記(ヘンリー・ネヴィンソン)
* 戦時中立国の窮状(ストックホルム通信)
* ドイツに提出すべき賠償請求書(ベルジック公使)
* 日本の対露態度奈何
* 日本はドイツ贔屓なりや(山川健次郎)
* 世界文明に対する大英国の貢献(リオン・ブリーズ)
* 新しき見地より観たる日本の欧米関係(A・L・サッドラー)
* 支那における新しき結婚式(一支那人)
* 日本現行法改正問題(ジョン・ギャッツビー / 増島六一郎)
* アイヌ民族の研究(アーキディコン・バチェラー / マンロー、マードック、キース嬢スケッチ9葉 / マンロー博士撮影写真12葉)
* 大戦の影響とロンドンの現状
* キプリング評伝
* 香港及び加州の日本学生
* インド内地の実情
* 新日本行(14)(詩):「大掃除」(イラスト)(エリザベス・キース)
* ほか

第3巻第6号(1918年12月)(クリスマス号 / 最終号)
【英文】
* ヨーロッパの再建(リオン・ブリーズ)
* 世界芸術としての日本芸術(アイザック・ドーマン)
* アジアの五大信仰(エリザベス・コーツワース)
* 内外における中国の人々(ミドルトン・スミス)
* スコットランドと日本の氏族(マクドナルド)
* 日本追想(スペート)
* 吉宗の功績:未刊のA History of Japan第3巻より(マードック)
* 封建時代における鍋島焼(ジョン・ギャッツビー)
* 日本の農村におけるクラブ(結社)(ハーパー・コーツ)
* 新日本行その15:お買い物遊び(イラスト)(エリザベス・キーツ)
* イングランドのエジブト駐留(D・G)
* アングロ・日本語としてのエスペラント語(バーナード・ロング)
* 変わりゆくインド
* 日本における民主主義
* ほか

 上掲記事は実際の収録記事の一部でしかなく、実際にはもっと多くの記事が本誌には収録されています。メイソンやマードックという優れた日本研究者による日本文化論や歴史研究、明治初期の来日西洋人の紹介記事、アーネスト・サトウによる時事評論をはじめとして、いずれも非常に興味深い記事が英語、日本語記事の双方で多数掲載されていて、こうした記事や執筆陣を見ると、本誌が「プロパガンダ雑誌」という枠組みをはるかに越える意図を持ってスコットによって編集されていたことがよくわかります。また、本誌に収録されている記事からは思わぬ日英交流史の一コマを垣間見ることも可能で、例えば創刊号に掲載されている「モリソン文庫」についての記事は、現在東洋文庫の中核となっている同文庫がまさに売却交渉の大詰めを迎えた時期に書かれた記事として、その情報の出どころも含めて大変興味深いものです。さらにスコットは、モリソンによる「中国研究書100選」なる記事の寄稿を翌月号に予定していたようですが、残念ながら店主の見る限りではこの記事は掲載されていません。

 スコットが上記のような多彩な寄稿者をどうやって集めることができたのかは大変興味深いところですが、それと同時に自身と近しい人物にも大いに頼っていることも注目されます。例えば、スコットの妻エルスペット・キース(Elspet Keith)は、著作家、東洋研究者として活躍していた人物でしたので、本誌にも連載の形で多くの記事を執筆しており、また彼女の妹であったエリザベス・キース(Elizabeth, Keith, 1887 - 1956)は、姉を頼って来日したばかりでしたが、ほぼ毎号イラストを本誌に提供しています。エリザベスは、よく知られているように、のちに新版画運動の中心をなす人物となりましたが、彼女の来日後初期作品についてはほとんど知られていないと思われることから、本誌に掲載されたエリザベスのイラストは大変興味深い作品群と言えます。エリザベスは、本誌を発行していた「新東洋社」から、第一次世界大戦の傷病者に対するチャリティのための風刺画集『苦笑して我慢して(Grin and bear it)』(本HP参照 http://www.aobane.com/books/934)を1917年に刊行しており、この作品についてはエリザベスの初期作品資料としても注目されていますが、本誌にはこの風刺画集についての関連情報や、関連する作品も掲載されており、エリザベスの日本における創作活動を理解する上で重要なものばかりと思われます。

 本誌はこのようにスコットのジャーナリストとしての手腕が遺憾なく発揮された稀有な日英両語総合雑誌と言えるものですが、第一次世界大戦の終戦が近づくにつれ、当初の目的であった対日プロパガンダの必要性が薄まることになり、(すでにその目的をかなり逸脱していたとも言えますが)資金援助を断たれることになり、1917年6月の創刊から1年半後の1918年12月号をもって終刊することになりました。1918年10月号では、スコットによる「自裁の辞」が掲載されており、資金援助を断つという結論を下した関係者の無理解を嘆くと共に、本誌の存在意義が改めて強調されています。スコットは自身の力で本誌の継続を試みたようですが、残念ながら予定通りこの年の12月号をもって、本誌は幕を閉じることになってしまいました。

 本誌はスコット自身の「新東洋社」を通じて東京で印刷、刊行がなされていましたが、イギリス、アメリカでも販売が行われていたようで、後半期はむしろ英語圏読者向けの雑誌になりつつありました。しかしながら刊行部数はそれほど多くなかったようで、発行部数17,000部を公称しているものの、一説には実際の発行部数は3,000部以下だったとも言われています。そのためか、国内でも現存するものはかなり少なく、海外の研究機関でも同様の状況で、揃いの状態で所蔵している研究機関はほとんどないのではないかと思われます。一部の記事に欠落があるとは言え、全号揃いの状態で見つかったこの資料群は、第一次世界大戦下に短命ながらも強烈な光を放った知られざる日英総合雑誌として、さまざまな角度からの研究が待たれる貴重な学術資料と言えるでしょう。

 なお、各号の詳細な書誌情報は下記の通りです。


Vol.1 (1917: Jun. - Dec.)

* No.1(June): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., 1 leaf, pp.[1], 2-126(articles in English), 2 leaves, pp.[1], 2-17(advertisements in English). / Title(in Japanese), Front., pp.1-36(articles in Japanese), pp.1-7(advertisements in Japanese).

* No.2(July): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.1-104(articles in English), pp.XXXIII-XLIX(advertisements in English). / 2 leaves, Front., pp.1-34(articles in Japanese).

* No.3(August): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.[1], 2-52, LACKING pp.53-58, pp.59-115. / pp.XXXIII-XLIV(advertisements in English), pp.1-6(advertisements in Japanese), 1 leaf, Front., pp.1-25(articles in Japanese)

* No.4(September): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.[1], 2-113(articles in English). / pp.XXXIII-XLI(advertisements in English), pp.[1], 2-6(advertisements in Japanese), pp.[1], 2-31(articles in Japanese).

* No.5(October): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.1-103(articles in English). / pp.XXXIII-XL(advertisements in English), pp.[1], 2-6(advertisements in Japanese), 1 leaf, 2 Fronts., pp.1-41(articles in Japanese).

* No.6(November): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.1-103(articles in English). / pp.XXXIII-XL(advertisements in English), pp.[1], 2-7(advertisements in Japanese), 2 Fronts., pp.[1], 2-41(articles in Japanese)

* No.7(December): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.1-103(articles in English). / pp.XXXIII-XLV(advertisements in English), pp.[1], 2-6(advertisements in Japanese), 2 Fronts., pp.1-36(articles in Japanese).

Vo.2 (1918: Jan - Jun.)

* No.1(January): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.1-97(articles in English). / pp.XXXIII-XLIII(advertisements in English), pp.1-6(advertisements in Japanese), 2 Fronts., pp.[1], 2-45(articles in Japanese).

* No.2(February): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.97-208, [209](articles in English). / pp.XXXIII-XLIII(advertisements in English), pp.1-5(advertisements in Japanese), 1 leaf, 2 Fronts., pp.1-29(articles in Japanese).

* No.3(March): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.209-270, 171(i.e.271), 272-308, [309](articles in English), Plates:[2](articles in English). / pp.XXXIII-XLI(advertisements in English), pp.1-6(advertisements in Japanese), pp.1-27(articles in Japanese).

* No.4(April): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.309-418, [419], Plates:[2](articles in English). / pp.XXXIII-XLI(advertisements in English), pp.1-5(advertisements in Japanese), 1 leaf, pp.1-33(articles in Japanese).

* No.5(May): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.419-521,[522], Plates:[2](articles in English). / pp.XXXIII-XLIV(advertisements in English), pp.1-5(advertisements in Japanese), pp.1-22(articles in Japanese).

* No.6(June): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.523-630, Plates: [2](articles in English). / pp.XXXIII-XLV(advertisements in English), pp.1-3, [4](advertisements in Japanese), Front., pp.1-34(articles in Japanese). / pp.XXXIII-XL(advertisements in English), pp.1-4(advertisements in Japanese).

Vol.3(1918: Jul. - Dec.)

* No.1(July): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.1-104, Plates: [2](articles in English). pp.XXXIII-XLVII,LVIII(i.e.XLVIII), XLIX(advertisements in English)/ pp.1-3, 5(i.e.4)(advertisements in Japanese), pp.1-18(articles in Japanese).

* No.2(August): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.105-120, LACKING pp.121-122, pp.123-148, LACKING pp.149-154, pp.155-164, LACKING pp.165-168, 1 blue leaf, pp.169-210, LACKING pp.211-212, pp.213-215, [216], Plates: [2](articles in English). / pp.XXXIII-XLVI(advertisements in English), pp.1-4(advertisements in Japanese), pp.1-5(articles in Japanese).

* No.3(September): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.217-319, Plates: [2](articles in English). / pp.XXXIII-XLIV(advertisements in English), pp.1-4(advertisements in Japanese).

* No.4(October): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.319-344, LACKING pp.345-350, pp.351-432, Plates: [2](articles in English).

* No.5(November): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.433-532, Plates: [2](articles in English). / pp.XXXIII-XLIII(advertisements in English), pp.1-4(advertisements in Japanese).

* No.6(December): pp.I-XXXII(advertisements in English), Front., pp.533-596, 1 blue leaf, pp.597-643, Plates: [2](articles in English), pp.XXXIII-XXXVII(advertisements in English), pp.1-3(advertisements in Japanese).

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スコットは独自に継続誌の刊行を予定していたようであるが、おそらく実現しなかったものと思われる。
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