書籍目録

『1867年6月7日に教皇聖下ピウス10世によって列福される、日本で殉教したドミニコ会の110人の偉大なる生と死について』

モラン

『1867年6月7日に教皇聖下ピウス10世によって列福される、日本で殉教したドミニコ会の110人の偉大なる生と死について』

1867年 マドリッド刊

Moran, Jose Maria.

RELACION DE LA VIDA Y GLORIOSA MUERTE DE CIENTO DIEZ SANTOS DEL ORDEN DE Santo Domingo, ó Cofrades del Santisimo Rosario, martirizados en el Japon, y beatificados solemnemente por Nuestro Santisimo Padre Pio IX el dia 7 de Julio de 1867;…

Madrid, D. Policarpo Lopez, 1867. <AB20211735>

Sold

8vo (12.8 cm x 19.9 cm), Half Title., Front., Title., pp.[1], 2-260, Contemporary vellum.
旧蔵機関による押印、背にラベル剥がし跡があるが、全体として良好な状態。 [NCID: BA34852661]

Information

元和の大殉教をはじめとした殉教事件で犠牲となったドミニコ会関係者の記録

 本書は、1867年に列福された日本の殉教者について記したもので、このうちドミニコ会の関係者とされた110人を対象としています。1867年の列福というのは、教皇ピウス9世によって日本での殉教者205名が列福されたもので、1862年のいわゆる「日本二十六聖人」の列聖に続く日本の殉教者の列福となりました。この列福では元和の大殉教と呼ばれる1622年の殉教者をはじめとして、17世紀初頭のキリシタン弾圧期に亡くなった人物が対象とされていて、列福に呼応する形でこれらの事件を改めて検証する書物が数多く刊行されています。

 本書もそうした書物の一つと言えますが、ドミニコ会の関係者を対象としている点で、他の類似文献とはやや異なっています。スペインがアメリカ大陸へと進出し、そこからさらにフィリピンを征服していく歴史的背景や、フィリピンを基軸とした日西交渉史、ドミニコ会が来日することになった経緯など、列福対象となった関係者だけの記述にとどまらず、当時の日本の社会、歴史状況も含めて解説している点で興味深い書物です。