書籍目録

「『これや丸』船内配置図」

東洋汽船会社

「『これや丸』船内配置図」

刊行年不明 刊行地不明

Toyo Kisen Kaisha.

CABIN PLAN. THE TOYO KISEN KABUSHIKI KAISHA’S TWIN SCREW STEAMER “KOREA MARU”.

not dated. <AB2020370>

Sold

22.7 cm x 29.0 cm, 1 plain paper sheet,
真ん中に折り目跡あり。

Information

ただいま解題準備中です。今しばらくお待ちくださいませ。

「太平洋郵船会社が、その所有船7隻を太平洋航路より撤退するや、その内の一隻ペルシャ丸は間も無く当社において買い取ったが大正5年5月に入ると、更にコレア号、サイベリア号両船も売物に出ていることが知れた。当時両船はアメリカン・インターナショナル汽船会社の所有となっていて、ニューヨーク方面において航海に従事していたが、売値は1隻につき230万ドルで、2隻を同時に売却したいというのが船主側の希望であった。両船は明治34年米国ニューポート・ニュースにおいて建造せられ、総トン数12,800トンの優秀なる客船であった。当社としては、喪失した地洋丸(1916年3月マニラから香港に向かう途中に香港沖で座礁して喪失;引用者注)の代船として、差し当たり1隻を買い入れ、他1隻買い入れについては、今暫く調査の上決定することとして交渉を進めたが、これに対して先方にては1隻200万ドル、2隻にて400万ドルならば売り渡すべき意向を示してきた。当社は地洋丸喪失より生じたる船腹不足のため、各荷主に対し責任上、非常なる窮地に陥るほか、来る大正5年10月より12月にわたり、現在傭船している他社船の傭船期間満了し、新たに傭船せんとする時は、当時の相場にて重要トン当り1カ月約18円あるいはそれ以上、という高額の傭船料を支払わなければならぬような情勢であったから、両船を同時に400万ドルで買い入れても、両3年間には相当の船価償却をなすことが出来て、決して損失を招くようなことは無い、と認められたから、この際船腹増加のため、両船を同時に買い取ることに決定し、大正5年5月27日に購入契約に調印した。サイベリア号は同年6月12日、コレア号は同年7月15日いずれもニューヨークにて引渡しを受けたが、乗組員の交替は両船ともサンフランシスコで行われた。サイベリア号はウラジオストック行きの鉄条網を満載しサンフランシスコを経てウラジオストックに至り、揚荷終了後長崎に回航、三菱長崎造船所において改造工事を施行、同年11月中旬よりサンフランシスコ線に就航した。コレア号は貨物満載、サンフランシスコを経て横浜に直航、次いで神戸に至り川崎造船所において、改装工事を施行、同年10月初旬よりサンフランシスコ線に就航した。
 両船の購入代金400万ドル(邦貨約800万円)は、地洋丸保険金370万円と、社債400万円計770万円と社内保留金とをもってまかなった。また船名をコレヤ丸、サイベリヤ丸と改称した。」
(中野秀雄『東洋汽船64年の歩み』東洋汽船株式会社(非売品)、1964年、147-149頁より。一部地名等の漢字表現を引用者が変更)