書籍目録

(シーボルト事件)『ブロックハウス百科事典 全4巻』

(シーボルト)

(シーボルト事件)『ブロックハウス百科事典 全4巻』

1832年〜34年 ライプチヒ刊

(Siebold, Philipp Franz von.)

Conversations=Lexikon der neuesten Zeit und Literatur. In vier Bänden.

Leipzig, F.A. Brockhaus, 1832-1834. <AB201749>

Sold

8vo, 4 vols. Erster Band (A bis E); Fly title, Title, pp.[1], 2-876, Zweiter Band (F bis L); Fly title, Title, pp.[1], 2-987, Dritter Band (M bis R); Fly title, Title, pp.[1], 2-882, Vierter Band (S bis Z); pp. [I-V], VI-VIII, [1], 2-1276, 2 leaves, Original blue card boards.
シーボルト記事があるのは、第4巻362ページから371ページ。当時の厚紙装丁、小口は黄色に着色。

Information

シーボルトが帰国後に自ら語った「シーボルト事件」記事を収録

「ファルケンシュタイン(本書の編集者:引用者註)はシーボルトの文章を掲載するにあたり、1833年9月28日付でドレスデンからヴュルツブルグにいるシーボルトの母親アポロニアに宛て、シーボルトに関する詳細な経歴(1833年まで)について20項目にわたり照会(質問状)の手紙を送っている。(中略)母親のアポロニアは当時ライデンにいた息子に、さっそく手紙を添えてこの質問状を送り、シーボルトはこれに応じた原稿を書きあげ、発行元のブロックハウスに送付した。翌1834年、これが『ブロックハウス百科事典』第4巻に収載されたのである。
 この文章は、シーボルトが日本を去った3年後に、ライデンの自宅で自らの事跡を第三者的(原文では、シーボルトは「S」と表記されている)に執筆した一種の自叙伝である。そのなかで、自ら体験した「シーボルト事件」をとりあげ、いちはやく活字化してヨーロッパにひろく知らしめたことは興味をひく。
 このことは、前年の1833年に出版された大著『ニッポン』の第1・第2分冊、および、『ファウナ・ヤポニカ』第1分冊とあわせて、きわめて貴重な資料といえよう。これまで国内外のシーボルト研究者が気づかなかっただけに、この『百科事典』の記述は注目に値する。」
(石山禎一編『シーボルトの生涯をめぐる人びと』長崎文研社、2013年より)

第1巻タイトルページ
第4巻に収録されている、シーボルト家の記事冒頭部分。シーボルト自身による記事。
シーボルトが離日3年後に自ら語った「シーボルト事件」の詳細。